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大陸系依存植物と北方系依存植物

概要

阿蘇の草原や水湿地には中国大陸(満州・朝鮮)系の植物(大陸系依存植物)が多産しています。このことが阿蘇の植物相の大きな特徴で、阿蘇が日本の植物相の中で特異な位置を占める理由になっています。これらの植物は、朝鮮半島と九州とが陸続きで、現在よりも気候が冷涼であった約15万年前に、満州(中国東北部)や朝鮮の草原からより温かい南の地域に分布を移してきました。そして、環境の温暖化によって大部分の植物が再び北上した後も、生育に適した比較的冷涼な高原生の気候と草原状態の中で、現在まで生き残ってきたものと考えられています。
また、阿蘇の草原や水湿地にはスズランリュウキンカなどのように九州では稀な北方系の植物も多い。これらの植物も大陸系依存植物と同様に、冷涼な気候の時に南下し、環境が温暖化した後も冷涼な阿蘇の草原に生き残っています。
このように、動植物の分布は固定したものではなく、気候などの要因によって移動するものです。

参考

阿蘇-自然と人の営み-

カテゴリ : 阿蘇の自然
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