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春工房-市原春美

朝の三時から阿蘇のお米と向き合う。



春美という自分の名前は父がつけてくれたものだが、「なんだか古くさくてずっと嫌いだったんです」。
その父のちょうど三十三回忌を迎えた平成二十七年、新しく始める自分の仕事場の名前を「春工房」とした。
嫌ってきてごめんね、の気持もこめて。
季節もちょうど桜咲く春爛漫だった。
阿蘇の米を素材に、おはぎや赤飯、きのこおこわ、米粉ドーナツを作り、道の駅などに納めることを専業とするこの工房を立ち上げた市原春美さんは波野の生まれだ。
二十一歳で結婚し、故郷をあとにする。女児の母となった。
人生はさまざまな出来事がある。母と娘だけになって波野に戻ってきたのは二十三歳のとき。
以来、女手ひとつで育ててきた娘はもう二十五歳になる。
社会福祉協議会で介護の仕事を二十年ほどつづけてきて、春工房設立を決断した。
波野にいっそう腰を据えて生きる覚悟だった。
朝の三時から仕事を始めるという毎日。少しずつだけれども軌道に乗り始めてきた。
そんな矢先にあの地震が起きた。
「車中生活で、仕事はしばらくあきらめました。でも、みんな立場は同じなんだから……」
深刻になり過ぎず、こつこつ地道に回復をめざしていくと決めた。
再開し、うれしいことに待ち望まれていたことがわかる。がんばろうと思う。


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火の国阿蘇の恵みのブランド「然」

カテゴリ : 行政
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