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木造十一面観世音菩薩坐像

県指定重要文化財(彫刻)
所蔵 宮岡 武治氏

 阿蘇山坊中三十六坊の一つ、妙円坊の本尊として伝えられて来たもので、全体の作風から室町時代初期に作られたと考えられます。  
その像容の特徴は、頭髪を結い上げ、頭には宝冠(ほうかん)を戴いています。面相は気品高く、慈愛に満ち、柔らかな表情です。左手に水瓶を持ち、瓔珞(ようらく)、臂釧(ひせん)、腕釧(わんせん)と呼ばれる装身具を身に着けています。上半身に上帛(じょうはく)、下半身には裳(も)をつけて、天衣(てんね)をひるかえし、全体として荘厳な雰囲気を漂わせています。

 十一面観音は頭部に十一の頭を表している変化観音の一つで前後左右に、菩薩面三面、瞋怒(しんぬ)面(めん)三面、狗牙上出面(くげじょうしゅつめん)三面、大笑面(だいしょうめん)一面、頭上に阿弥陀の化仏面(けぶつめん)をもちます。本面を合わせて十一面になるものや小面のみで十一面になるものがあり、また小面の配列には一段のもの、二段のもの、三段のものなど種々の像容があります。

 阿蘇の山岳信仰においては、仏である十一面観世音菩薩が神の姿となって現れたのが阿蘇大明神(健磐龍命)とされ、信仰の中心になりました。
今なお旧妙円坊の宮岡家にはお参りが多いといいます。

写真

参考

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カテゴリ : 文化・歴史
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