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柿の木の湧水

概要

宮地字柿の木集落の北にありましたが、現在は枯渇し埋められています。現場には高さ60㌢の弁財天様の石像があり、左右に石の灯篭が建っています。台石の南側には「文政9年」(1827)の刻みがあります。
かつて、この弁財天様の東側に水神木として高さ15㍍ほどの杉の大木があり、この大杉とネズミモチ(モクセイ科イボタノキ属の樹木)の根本からこんこんと水が湧いていました。大杉は昭和40年代に落雷で幹が裂けて伐採されました。現在は切り株のみが地表に残っています。
この湧水は、中央火口丘群の山麓に拡がる扇状地の末端崖から流出する浅層地下水の典型的な形です。
今から2、30年位前までは町道下の崖や池の底からもきれいな水がこんこんと湧き出ていたそうです。また、この地区では昔から長寿者が多いのは、この水を飲んで育った恩恵であると言われています。
清らかな水を清潔に有効に使用する知恵として、湧き口に1.5㍍角の石の枠があり、次に2㍍角の石枠がありました。野菜や米などの食料品の洗い場として使われていました。その下が洗濯物の洗い場で、5×10㍍の石垣で囲まれ、ドジョウやドンコなどが棲み、夏には水泳場となって終日、子供達の遊び場となっていました。
この水は水田約数10㌶を灌漑していましたが、周辺地域に灌漑用ボーリングを行った影響で、昭和40年代に水は枯渇してしまいました。

参考

阿蘇一の宮町史 阿蘇山と水

カテゴリ : 阿蘇の自然
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