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森林

概要

阿蘇地域は火山荒原や水湿地などの特殊な環境を除いて、全域が森林に覆われるのが本来の自然の姿です。しかし、古くから人為極盛層としての草原状態が維持されてきました。また、カルデラ内の火口原などは耕地化され、杉、檜の人工林になっている面積も広くなっています。その結果、自然のままの森林が残されているのは、立野火口瀬北向山、南外輪内壁の狼ヶ宇土・清水、西外輪山斜面にある鞍ヶ岳・矢護山の西向き急斜面および深葉の菊池渓谷、中央火口丘東端の根子岳、東外輪山清栄山、小国盆地の東にある涌蓋山の上部、山東原野の南東部に続く祖母山麓などに限られています。
この森林の内、北向山、深葉、狼ヶ宇土・清水、および根子岳の4地域は特に重要で、これらの森林はそれぞれある程度まとまった面積を占めており、いずれも人為の影響をあまり受けずに残されています。さらに、これらの地域の標高は多少重複しながら連続しており、渓谷や尾根、山頂などの多様な地形を含んでいます。そのため、これらの森林は阿蘇全域の森林、つまり草原化する以前の自然の姿を復元して考える上で貴重な資料となります。

植生

阿蘇の森林には、ナツツバキ、アサガラ、ヤハズアジサイ、テバコモミジガサ、シコクスミレ、ハガクレツリフネなど五家荘や内大臣などの九州中央山地と共通する日本固有の古いタイプの植物を多く育む襲速紀要素と呼ばれている植物群も生育しています。
阿蘇は、日本列島の歴史ではごく新しい時代に誕生した火山ですが、火山活動が静穏な時期に九州中央山地から分布を広げてきたものと思われます。

画像

北向山原生林

カテゴリ : 阿蘇の自然
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