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湧水の仕組み

概要

阿蘇とその周辺地域には、少なくとも1,500ヶ所以上の湧水があるといわれています。
湧水の地域的な分布については、カルデラ内の阿蘇谷と南郷谷、久住山南麓、竹田市周辺及び小国町周辺などの地域で湧水の密度が高くなっています。また、阿蘇外輪山西麓の阿蘇火砕流堆積物で厚く覆われた菊池台地や肥後台地の上では、湧水はほとんど見られません。
しかし、谷が深く切り込んだ台地の縁辺部や熊本市などの台地の末端部ではいくつもの著名な湧水群が分布しています。また、外輪山の山腹については南、西、北側である程度の湧水が見られます。
湧水は地下水が地表に湧いて出てくるものです。では地下水が存在するためにはどのような条件が必要なのでしょうか。一つは水を透しやすい未固結の砂礫層や溶岩などの亀裂(クラック)部の存在です。次に、その下位に水を透しにくい難透水層としての粘土層や古い基盤岩などが存在することが必要です。地表から浸透した雨水は地下の土壌や岩石の隙間を満たし地下水となりますが、下に難透水層があるとそこで受け止められ、重力の作用によって低い方へゆっくりと流動していきます。そしてこの地下水の流れが、地表に出したところが湧水です。これには段丘の末端崖や谷壁から流出するケース(浸出水型)と、固結岩の割れ目、断層などの弱線、溶岩中の亀裂などから流出するケース(裂か水型)とがあります。この場合、上部の加圧層によって被圧した地下水であれば、断層運動に伴う弱線(亀裂)などの上部の弱いところを突き破って流出し、地表に顔を出すことなります。
阿蘇西麓の地下水については、阿蘇火砕流堆積物や砥川溶岩などの存在が湧出に深く関わっています。

TypeA 裂か水型

凝灰角礫岩などの透水性の違いや石灰岩などの基盤岩の割れ目からの湧水です。
元来、堅硬な基盤岩中には大量の地下水が貯留されることは希で、湧出規模は小さい場合が多い。

TypeB 浸出水型

段丘砂礫層や崖錘堆積物などの未固結層からの湧水です。一の宮町宮地の浅層の湧水や阿蘇町の御茶屋泉水の湧水などが、この例があたります。小~中規模の湧水です。

TypeC 浸出水型

阿蘇火砕流堆積物、特に上位のAso-4中に存在する地下水に関する湧水です。Aso-4は、地層の重なる順序からいうと丈夫に位置するためその層の厚さが薄く、地下水貯留量も少ないため湧水量はあまり多くはありません。

TypeD 裂か水型

阿蘇火砕流堆積物とその上位にある加圧層との関係から湧出タイプでもあります。主に、菊池台地北部に分布する凝灰質のシルト層からなる花房層を加圧層としている菊池市の木柑子湧水群がその好例で、中~大規模な湧水量を誇るタイプです。

TypeE 浸出水型および裂か水型

阿蘇火砕流堆積物の溶結度の差異に起因するものである崖や谷壁において上部が非溶結、下部が溶結している場合に、上部から浸透してきた地下水がその境目付近から湧出するもので、中~大規模な湧水も多い。蘇陽町舟の口水源の湧水がこれにあたります。また、溶結凝灰岩の割れ目などから湧出するものは湧出量が小~中規模です。

Type F 裂か水型

熊本地域特有の帯水層となっている砥川溶岩に関する湧水のタイプです被圧された地下水が多孔質で割れ目に砥川溶岩という特殊な帯水層の介在により湧出するもので、特に湧水量は大規模です。上益城郡嘉島町の浮島や下六嘉の湧水群がこれにあたりますが、浮島では毎秒2㌧、周辺の湧水を合わせると毎秒5~7㌧の大量の湧水が湧き出しています。

Type G 裂か水型

阿蘇カルデラ外輪の内壁などからの湧水のように、外輪山を造っている先阿蘇火山岩類の溶岩からのものです。中~やや大規模なものが多い。一の宮町の手野や坂梨の湧水がこのタイプです。ここでは溶岩の上部にのっている阿蘇火砕流堆積物の溶結凝灰岩の割れ目からの湧水(Type E)も合わさって湧出しています。この手の付近は、北外輪山の中で先阿蘇火山岩類の基盤岩の上面標高が最も低い所にあたっています。このため外輪山状の広い範囲に降った雨が、基盤岩の低いこの場所に集まり、ここからカルデラの中へ湧出させていると考えられます。このため手野の宮川の渓谷では大量の湧水が見られ、古代には、まずこの場所に水の神様を祀る国造神社が鎮座されたと考えられます。

Type H 裂か水型

一の宮町の宮地周辺で湧出する深層の地下水です。
中央火口丘の斜面に降った雨が阿蘇谷の地下深く潜り込んでいる高岳などの中央火口丘溶岩の亀裂を伝って流れ込んだものと考えられ、湧出量も多い。全国的な代表例としては、豊富な湧水量を誇り日本名水百選に選ばれている静岡県の柿田川湧水がありますが、これは富士火山の噴火で流れ出した三島溶岩の亀裂の中を運ばれてきた湧水です。

一覧

映像

参考

阿蘇一の宮町史 阿蘇山と水

カテゴリ : 阿蘇の自然
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