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火口信仰

阿蘇に息づく信仰は、火を噴く火山に対する畏敬の念が起源となり、今日まで続いています。
古くは中国の史書『隋書倭国伝』(636年)に「阿蘇山あり、其の石、故なくして火起こり、天に接すれば、俗以て異となし、よって祷祭を行う。如意宝珠あり、其の色青く大きさ鶏卵のごとく、夜は即ち光あり、魚の眼精なりという」と記されています。
日本の古事記の成立よりも古い時代にすでに阿蘇の名が中国に知られていました。
「よって祷祭を行う」と記されているように、火口への祈りが約1400年前には行われていたようです。
ちなみに、日本の記録では、阿蘇山の名は『筑紫風土記』逸文の「肥後国にアソ岳という大きなはげ山がある。
その頂上には霊沼があり、天下の霊奇を示す。
(中略)この霊沼のある中岳こそ、アソ神社そのものである(原漢文)」とあるのが最初といわれています。
一方、阿蘇開拓の祖・健磐龍命の名は『日本紀略』弘仁14年(823)に記されています。
早くから神霊池は健磐龍命の神宮とみなされています。
神話の世界では阿蘇を開拓し、民に稲つくりを教え、狩りをし、贄を天神地祗に供えて祭祀をしたことが今に伝わっています。
記録や神話に示されるように、神霊池の異変や噴火を起こす不可思議な力を持つ神(火山神)の名は健磐龍命と名づけられ、阿蘇家の祖神とされています。永年の間に、火山神と人格神が一体化し、健磐龍命、そして火口を信仰するようになったのです。その後、神霊池は祈祷の対象として崇敬され、上宮と呼ばれ、ふもと(宮地)の阿蘇神社を下宮として健磐龍命を祀り、子孫である阿蘇家が祭祀を司るようになりました。

写真

動画

阿蘇火口鎮祈願

参考

阿蘇の達人 ~阿蘇をつくった神々と歴史~

カテゴリ : 文化・歴史

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