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米塚(こめづか)と阿蘇大明神(あそだいみょうじん)、三久保(みくぼ)とこしき岩

 健磐龍命(たけいわたつのみこと)は、力強くて勇敢(ゆうかん)で、やさしい心のお方だったといわれています。ある日のこと、病におかされ、疲れきった男の人が道端(みちばた)に休んでおりました。

「どうなされた。」

命が声をかけると、男の人は弱々しい声で答えました。

「もうだめです。昨日から何も食べていないのです。」

 すると、命は急に山よりも大きな体になって米塚のそばに近づくと、その大きな手のひらで山のてっペんをすくわれたのです。手のひらの中には、真っ白なお米がどっさり。

「これを食べて元気におなりなさい。」

 男の人は不思議な出来事に驚きました。村の人達にそのことを話すと、

「それはきっと健磐龍命様にちがいない。」
と口々に言いました。その後、人々は健磐龍命のことを阿蘇大明神様と呼んで敬うようになりました。
 内牧(うちまき)の西に三久保という部落があり、3つの丘が並んでいます。これは大明神が、こしき岩で蒸(む)したもち米を三くぼ投げたことから付けられた名前だといいます。こしきというのは、お米を蒸すときの道具です。こしき岩は千丁牟田(せんちょうむた)の近くにあります。

参考

くらしのあゆみ 阿蘇 -阿蘇市伝統文化資料集-


カテゴリ : 文化・歴史
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