阿蘇くじゅう国立公園指定90周年シンポジウム
阿蘇くじゅう国立公園指定90周年シンポジウム
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阿蘇くじゅう国立公園指定90周年シンポジウム
NHK熊本放送局で活躍し、退職後の現在も阿蘇を中心にアナウンサーの仕事をつづけている古川望美さんだが、「学生時代、しゃべらない生活を心がけていました」。 大分県の芸術短期大学の声楽科で歌を学んだ。「声は歌に使うもの、だからしゃべることに浪費...
若き日、バイクで全国を旅していた青木隆さんは美和さんと知り合い、二人でたくさん話し合った。そして選んだのが、「自然の中での人生」だった。大学で建築史を学び、古民家研究のフィールドワークをつづけてきて、「ああいうところで暮らしたいなあ」という...
県北の南関町出身。山と田んぼと畑と小川で遊びながら、両親を助けて戦後の食糧難を乗り切った。 「その頃の子どもは、鳥や魚の捕まえ方をよく知っていました」。 厳しい時代だったが、「教育を受けて早く給料取りになって独立せよ」という両親の考えで、兄...
佐賀市で生まれ育ち、大叔父が住職だった西巌殿寺には子どもの頃からよく遊びに来ていた。 中学卒業の前に「お坊さんになってみないか?」と声をかけられ、この道に入る。獣医になるのが夢だったが、命に接することに変わりはないと考えて決めた。 「ご縁が...
気持ちが優しく、弱虫の子どもだった。そんな樋口清輝さんがテコンドーという武道に親しみ始めたのは小学生のとき。武道好きの父の導きだった。テコンドーは韓国生まれの格闘技。日本の空手をルーツとしており、多彩な蹴り技が多いのが特徴。「あんがい抵抗な...
主宰する阿蘇ホタルの会では、ホタルの生息マップを作るとともに、平成12年度から「1年1研究」を掲げて様々な調査結果を発表。 その功労が認められ、平成22年度「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰を受賞した。 農協の畜産技師として家畜の人工...
それは、テレビで東日本大震災の映像を視た瞬間だった。甚大な被害を受けた現場で救助活動を続ける消防士の姿を見て、医療系の専門学校に行くと決めていた進路を変えた。 「病院は患者さんを待って助ける仕事。私はあの人たちのように自分で現場に行って人を...
山口県の瀬戸内海沿岸で生まれ育った。母がやっていた「町の床屋」の跡を継ぐべく、東京に出て住み込みで修業した。国家試験も合格し、さて故郷に帰るかという二十三歳のとき、ひょんなことから猿まわしのアルバイトに誘われた。 これがその後の生き方を決め...
テコンドーでオリンピックを目指していた青年が、米のオリンピックで金賞を取った。 初めて収穫した新種“ぴかまる”が、「第18回 米・食味分析鑑定コンクール国際総合部門」で、5,400品の米の頂点に輝いたのだ。 「テコンドー以外で、初めてホメら...
大阪から阿蘇に嫁いできた。バスケットボール審判員として全国を飛び歩く夫が、あるとき沖縄土産に三線(さんしん)を買ってきてくれた。三味線には少し親しんでいたが、初めて接する沖縄の楽器の魅力ははるかに強烈に発信してくる。「向こうで誰かに習ったら...
高知県の民謡である「よさこい節」を囃子詞とした「よさこい祭」は、全国各地で特有の「よさこい」として広がっている。 佐藤和美さん(後列右から二人目)が地元のよさこい「ASO☆KOI華流伝羅」(「華流伝羅」はカルデラ)を立ち上げたのは二○○八年...
瀬戸内海に浮かぶ芸予諸島のひとつ伯方島に生まれ育った。潮風が子守唄だった松本久義さんが、青年となり山と草原のまちに暮らすようになったのだから、縁とは異なものだ。結びつけたのは「スポーツ」である。 高校のころから、「アメリカへ渡って、プロスポ...
体の弱かった幼少期。祖母とその茶飲み友だちの「ごてーどん(旦那)の愚痴、漬物の漬け方、薬草の使い方」のお喋りを聞いて育った。 興味を引いたのは、薬草のこと。薬草で遊び、使い方を試したり、家伝秘伝を教わりながら知識を身につけた。 そして高校卒...
ある「あか牛料理店」の看板を引き受けることになったのは、その店が「これほどおいしいのに、お客が少ないのはもったいない、と痛感したからでした」。 桑島圭さんが腕を振るったデザインは、目を引くことと、何業であるか明快であることという看板の果たす...
祖父が阿蘇で苗木業を始め、父が林業へ展開した。それを受け継いだ岩村雄太さんは岩村林業の三代目社長である。 二十三歳から農業(米)と林業に精を出している。「父のころ、林業はとても元気があったようですが」。残念ながら、その勢いがいまもつづいてい...
建築士の資格を取り、本格的なログハウスを学ぼうと本場カナダに向かったのは二十代初めだった。ところが、その森の国での新生活に慣れる間もなく、母から連絡があった。「郷土料理の店を始めるから、少し力を貸してくれない?」。 カナダの人びとには「ちょ...
阿蘇といえば草原そして馬。「阿蘇くんわの里」では高品質の特産の馬油が作られている。 原料である馬の皮下脂肪は人間の皮脂とよく似た性質をもち、高い保湿効果が得られる基礎化粧品となる。 鳥取大学と共同で完成した天然一○○%の馬油オイルは、「第4...
小学生のときから歴史ものが大好きだった。奈良交通のバスガイドになったのもその動機が大きい。全国を訪れて、「ああ、ここがあの戦いの場だ。なるほど、こういう布陣だったか」とわくわくしたものだった。 阪神淡路大震災を契機に阿蘇に戻った。二十八歳で...
食育ということばがある。食べることで人生を学ばせる、というような説教がましいことではない。もっと素直な、とてもあたりまえのこと、と田中英美子さん(右)は思っている。 「おいしいものを食べているときの、ひとの表情はものすごく豊かです」。あれこ...
思えば反抗的な子どもだった。と、河崎秀行さんは自らを振り返る。人と相対するのも苦手だった。 それが、縁あって接客業に従事し、「かんぽの宿阿蘇」のフロントに携わるようになり、自分でも不思議なほど仕事が楽しくなっていった。 訪れる客は高齢者が多...
一面の田のなかに、風格ある屋敷が建っている。遠くから眺めるひとはうどん店と気づかないだろう。端然としたようすは、まさに武家屋敷である。 店主の岩下治義さんが妻と長男と三人で始めたのは二〇一〇年。 ずっと事務系の仕事をつづけ、多くの実績を重ね...
阿蘇神社の横参道のすぐそばに、親しみやすい暖簾の店がある。 お好み焼きもやっているが、メインは回転饅頭だ。関東では今川焼き、ところによっては大判焼きなどとも呼ばれる、あのほかほかの逸品である。 店主の田代光男さんは二代目だ。兵庫県で食品企業...
すらりとした茎の先端になんとも気品あふれる花々をつける、トルコギキョウ。北アメリカ原産なのにこの名があるのは、花の形がトルコ人のターバンに似ているからとか、花色のひとつ青紫色がトルコ石を連想させるから、など諸説あって定かではないが、じつに物...
阿蘇たかな漬を伝統の製法で作りつづける老舗「菊池食品」の三代目社長である菊池秀一さんは、阿蘇草千里ケ浜駐車場の中央に位置する「草千里レストハウス」のオーナーでもある。 そして、二〇一四年からは阿蘇山上職域防災防犯協会の会長も務め、地域の財産...
阿蘇の水で磨いた手打ち蕎麦に、中華風の料理をアレンジした。 東京にいたころ知り合った、生まれも育ちも北京の妻といっしょに始める店なのだから、そういう特徴でいこうと決めたのだ。 「蕎麦と中華?そんなの聞いたことがないぞ」という声には、まあ召し...
二〇一六年四月に熊本地震が起きた。 次々と襲ってくる余震のなか、店も民宿も訪れる客が激減する。 避難の車中泊をつづけていた田添賢さんは危機感をもって思った。 「このままでは阿蘇は孤立してしまう」。 元気を示すために、そして復興のために、何か...
その名も馬豚(ばとん)ラーメンである。 馬のスネ肉を出汁に使おうと決めた。 「豚骨と牛とは、どちらも個性が強すぎるせいか合わないのですが……」。 小さくも存在感たっぷりのラーメン店「福ふく」店主、美川卓三さんは言う。 「馬肉は素直なのですね...
熊本県では女性でただ一人の「馬の人工授精師」である。 資格試験を受けて合格したのは五十歳のときだった。 動機は? 父の跡を継いで主婦のかたわらずっと畜産をつづけてきた竹原真理子さんは、授精の現場で獣医や授精師がちんぷんかんぷんの会話を頭越し...
長い歴史をもつ高原の小学校は、ふるさとの香りがする。 地域の人びとの思い出と抒情が詰まっている。 時代の流れで廃校となったその建物が「都市と農村との交流空間」として再生したのは平成十四年のことだった。 合宿や研修に広く活用できる施設だ。 創...
春美という自分の名前は父がつけてくれたものだが、「なんだか古くさくてずっと嫌いだったんです」。 その父のちょうど三十三回忌を迎えた平成二十七年、新しく始める自分の仕事場の名前を「春工房」とした。 嫌ってきてごめんね、の気持もこめて。 季節も...
外輪山の上、波野地区に移住してきた。 夫は千葉、妻は東京の出身。二人ともこれまで農業とはまったく無縁だった。 いったいなぜ? いろいろあってのことだが、二人が以前から都会のなかでの暮らしに小さな疑問を持ちつづけてきたのは事実だった。 そして...
素朴ながら優雅な、阿蘇ならではの鯛焼きを焼こう。 そんな心意気で宇野忍さんは鉄板の男となった。 ようやく手応えを摑んだころだった、阿蘇の大地が揺れに揺れたのは。 すぐに避難所を巡った。 「とにかく、たとえ小さくとも元気を届けたかったです」。...
阿蘇の火山がはるかな時を超えて抱えつづけてきたものがある。 褐鉄鉱リモナイトという堆積物だ。 豊富な鉄分を含むこの土壌を活用し、平成十七年に農業生産法人が立ち上がった。 デザインファームの命名にこめられた想いは、「土としての阿蘇をデザインし...
十九世紀にスイスの青年実業家によって提唱された人道支援団体、それがかの有名な赤十字だ。 そもそもは戦時における戦傷病者の救護活動を目的に設立されたが、その博愛の精神は、広く世界中の人びとの暮らしのさまざまな場面において有意義な活動を展開して...
国道212号線は大分県中津市と熊本県阿蘇市を結ぶ幹線道路だ。 この道を走らせているドライバーが内牧あたりの田園風景のなか、ひときわ目立つ建物に目を留める。 レストランか、いやそうでもなさそうだ。体育館のような造りだが、大きな日本酒のラベルが...
太平洋戦争のあと、人びとが直面した大きな問題のひとつが食生活だった。 栄養バランスのとれた食事がいかに大切であるか。いかに人間の根本を支えるものか。 そうした考えを戦後復興に励む人びとに訴え、普及していくのを目的に日本食生活協会は生まれた。...
ピアニスト独特の、しなやかで繊細な指先である。 その指が、流れる春の風のように鍵盤を動いていく。優しい音だ。 志賀総学さんがピアノに親しみ始めたのは小学校三年生のとき。 「四歳下の妹が先に教室に通い始めていたのですが……」 すぐやめてしまっ...
熊本市の建設会社で三年あまり修業し、阿蘇に帰ってきた。 父は腕の立つことで評判の大工である。子どものときから憧れていた。 その名人とともに仕事を重ねていき、三十歳で独立する。 もちろん大いに尊敬する父だが、そこは職人と職人、ぶつかることもあ...
第一次世界大戦のさなか、ジョセフ・ピラティスというドイツ人の従軍看護士がいた。 負傷兵のリハビリにあたっていた彼は、のちに渡ったアメリカで、身体に負担をかけないこのリハビリを独自のエクササイズとして完成させた。 それが、いま世界で人気を呼ん...
生まれも育ちも土佐の高知、自然の息吹に浸って少年時代を過ごした。 熊本の大学に進んだのも、好きなバイクでとりわけ阿蘇の外輪山を走りたかったから。 卒業後故郷に戻り、自らの進路を見定められずにいたが、転機はとつぜん訪れる。 母の急逝だ。悲痛の...
アトリエに足を踏み入れると、圧倒的な力が風のごとく吹きつけてくる。 豊かな存在感を示して立つ肖像彫刻の群れが放つ力だ。 それは、ずっしり詰まった人間の内面が語りかけてくるかのよう。 阿蘇に居を構え、長く制作をつづける石原昌一さんは著名な彫刻...
楚々とした立ち姿だ。いかにも優美である。 ところが、熊本民謡の代表格「おてもやん」の朗唱が始まると、あたりの空気全体がいっぺんで張りつめ、昂揚する。 若き民謡師範、内野朝美さんの歌声は聴く者の心を揺り動かさずにおかない。 少女時代、典型的な...
五嶋一拓さんが大型の鶏のそばに立つとよく似合うのは、きっとすらりとした長身のせいだろう。 楓爽とした力感が溢れるのだ。 かつて熊本には天草大王と呼ばれるわが国最大級の鶏が飼育されていた。 「博多の水炊き」などとして珍重され、人気も高かったが...
なんだろうこのアットホームな雰囲気は、と客が思うのも当然、母と娘たちで始め、母と娘たちで育てている店なのだ。 かつて市民農園の集会所であった建物を改修し、カフェとして出発した。 「娘たちに相談したら、やろうよ、と言ってくれたので……」 母・...
「とにかく、スーッと動いて、駿馬のように加速したんです」 はじめてロードバイクに乗った時の感想だ。 ルアーフィッシング、熱帯魚、ゴルフ…。これだと思うと深入りする。 バイクとの出会いは、二〇〇七年。 駆けっこで負けたことのない幼なじみに刺激...
中学生のときだった。ある人が公園でマウンテンバイクに乗っていた。 「段差にぴょんと飛び乗って遊んでいたのです」 な、なんだ、あれは! 通り過ぎてからふたたび戻り、観察した。 それが、いつも通っている英語塾の先生だということに気づく。 「以来...
波野地区、標高八百メートルの高地にある農園だ。 以前は露地栽培だった。 「厳しかったです、作っても思うように売れなかったり……」 火山の降灰や台風など、自然の脅威にも痛めつけられた。 そういう困難を夫婦で乗り越えてきた歴史があり、いまはハウ...
剣道二段、弓道二段の武道家である。 若い頃には料理人を夢見たが、親のすすめもあって市役所に就職した。 退職後は、好きな登山を楽しみ、九州のほとんどの山を制覇した。 いよいよ悠々自適、のはずが、一転して多忙の日々だ。 朝八時に出勤し、売り上げ...
米を作り、畜産も行なう農家に生まれた森下誠次さんは、子どものときから農業に馴染んでおり、その実態もよく知っていた。 そう思っていたのだが、二十代前半にカルチャーショックを受ける。 アメリカ合衆国の中西部に位置し、「アメリカのハートランド(中...